※「第24回　宮脇恵理さん／合同会社アイ．ジー．シー CEO（高城支部会員） #1」より続き

■「志」を同じくするパートナーとの出会い
──iGCを起業するまでの経緯をお聞かせください。
宮脇　地域経済界の若手リーダーを育成する「豊の国経営塾」への参加が起業のきっかけでした。ほとんどの参加者が男性だったのですが、数少ない女性経営者のなかで意気投合したのが、当時は大分エコセンター（大山金属グループ）の代表取締役社長だった大山直美さんでした。彼女とは「女性の感性をどのように社会に活かすか」といった話で盛り上がりました。まだ「女性の活躍推進」といった言葉もなかった時代、経営者向けのイベントも男性向けのプログラムばかりだったので、新鮮に感じました。「それなら私たちで女性経営者対象のイベントをやってみよう」と、2013年に手探りで始めたのがiGCです。

──素晴らしいパートナーとめぐり逢えましたね。
宮脇　カフェに大山さんと私の友人をそれぞれ呼び出して、まだ発売されたばかりのiPadをビジネスにどう活かすかといったワークショップを開いたり、時代に応じたテーマを決めた講師を呼んだセミナーを企画したり、時にはドレスアップしてお洒落なパーティー風の演出をしたり…。そのうち友人が友人を呼んでくるようになり、1年後には100人を超える仲間ができていました。

──1年で100人とは凄い!
宮脇　ここまで大きくなってくると事業化した方がいいとなりました。イベントを開くには様々な業務が発生しますし、何よりも責任が伴いますから。この時、大山さんは既に取り組んでいた自らのプロジェクト「Team&AMA RE」に集中したいということで、私が代表となって合同会社iGCを起業したのです。

■「情報」と「人脈」のハブになる
──本格的にスタートをきった感想はいかがでしたか。
宮脇　参加された女性たちを見渡して正直、「うらやましい」と感じました。皆さん自分の好きなことや特技を活かしたビジネスに取り組んでいる姿を目の当たりにして、心から輝いているようでした。同時に、私が今まで培ってきたものを彼女たちに伝えたいとも思いました。

──伝えたいものとは?
宮脇　経営者として押さえておきたい基本的なことです。私はずっと父のそばで仕事をしてきたおかげで、多くの経営者の方々とお会いできました。育児と並行しながら様々な情報を得ることができましたし、行政や金融機関との付き合い方も学べました。しかし私のように恵まれた環境の女性は、なかなかいません。そもそも自分も経営者の一人だということに気づいてない方もいらっしゃいます。女性の場合、結婚や出産が一段落して社会に復帰するタイミングで新たなビジネスを始める方が多いのですが、経営者としての意識が低い方は狭いフィールドに閉じこもりがちです。せっかく素敵なチャレンジを始めたのに、新しい扉を開こうとしないのは、もったいないと思います

──扉の向こうにあるチャンスを逃しているかもしれませんものね。
宮脇　そこで私は、大分の女性起業家たちに向けて、「情報」と「人脈」のハブをつくりたいと考え、生まれたシステムが「SUITS」です。

■女性起業家たちのオンラインコミュニティ「SUITS」
──「SUITS」とは、どのようなサービスですか？
宮脇　女性起業家たちの想いと商品・サービスを可視化でき、そこから新しい仲間とつながり、関係を深めていくオンラインコミュニティです。会員プランは4段階あり、段階に応じてイベント参加、PR活動、ショップ開設などができます。会員はマイページでビジネスに対する想いを表明し、自分が手掛ける商品・サービスをプレゼンできます。たとえばWeb関連のビジネスをしている方なら「サイト設計やSEOができます」とか、雑貨づくりをされている作家なら「新しい雑貨ができました」といったイメージです。ショップでは、入会当初にお渡しした使用期限付き「SUITS」限定コインを使って、お互いの商品・サービスを利用できるようになっています。ここから自然発生的に会員同士がつながっていくのです。

──商品・サービスに関する意見や感想を交わすことで、ブラッシュアップも期待できますね。
宮脇　会員の皆さんはiGCや「SUITS」の理念に共感してくださった方ばかりで、お互いの人となりを理解したうえでつながっています。そのため自分の商品・サービスを一方的に売るのではなく、会員同士でWin-Winの関係が成立することが前提になっています。この点が他のクラウドソーシングサービスと異なる部分です。

※「第24回　宮脇恵理さん／合同会社アイ．ジー．シー CEO（高城支部会員） #3」へ続く

※メインビジュアルは「SUITS」サイトより

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