第4回 スウィングエコーズ・ジャズオーケストラ その1
社会人の楽器愛好家は多い。
私は1962年生まれ、1984年に社会人となったが、この世代の前後は特に多いと思う。当時、コンピュターや電子機器によるゲームも無く、趣味、余暇といえばスポーツか音楽関係に携わるのが大半という時代であった。
私は学生時代に、大学サークルや福岡市内のライブハウスなどでドラムスを演奏していたが、音楽を追及しようという意思もなく、卒業、就職と同時に故郷大分に帰った。
大分にスウィングエコーズ・ジャズオーケストラというバンドがあることは知らなかったが、友人に誘われてふらりと練習を見に行ったのが1985年。当時のドラムス担当者は元々パーカッション奏者だったからか、初回から「どーぞどーぞ」とドラムスのポジションを譲ってくれ、検討の余地もなくレギュラーメンバーとなった。早いものであれから32年が経過、バンドは結成50周年を迎えることになった。
社会人バンドは学生と違い、メンバーそれぞれの仕事や家庭などの事情がある。メンバーの人数が多いほど、足並みを揃えるのは難しい。現在スウィングエコーズはコンサートマスター含め19名のレギュラーメンバーで成り立っているが、年齢の開きは親子レベル以上。国家試験を控えた学生や、親の介護や交代勤務などで十分な練習や準備が出来ないメンバーも含まれる。転職や転勤で活動ができなくなるなど諸事情で退団者が出れば、空きポジションに対する募集、補充をしなければならない。
クラシックのオーケストラや吹奏楽団と違い、ジャズのビッグバンドは編成が決まっている。ドラムス、ベース、ピアノをベースとするリズムセクションに(当バンドはギター、パーカッションが加わるが)、トランペット4人、トロンボーン4人、サックス5人と決まっており、そのポジションが演奏するようアレンジされたスコアを演奏するため、余分も不足も原則あり得ないからである。
そのような環境でスウィングエコーズが50年もの間、演奏活動を継続できたのは何故だろうと考えて見ると、やはりそれには理由がある。
メンバーのモチベーションを高め維持するビッグイベント、コンサートやライブ、イベント出演や遠征が定期的に開催されるからだ。
これまでの経験から、一般的にバンドを結成するきっかけを考えると、その殆どが意気投合した仲間同士が、「一緒に音を出そう、何か作ろう」と集まる。レパートリーが増えて来ると、「ライブに出よう、レコーディングしよう」となるが、ここからが問題。所詮趣味の世界であり、飽きてくるのが人間。目標が無くなると、モチベーションの維持が難しくなる。仕事や家庭、他の趣味を持つと、音楽に対する優先順位がどんどん下がってくる。バンドの人間関係も変な感じになり、活動がフェードアウトする。
当バンドも同じで、具体的な目標が無い時は練習の参加率が下がってくる。企画や行事を打ち出し、メンバーのモチベーションをコントロールするのがバンドリーダー、幹部の責務だ。毎年のゲストを迎えた定期コンサートは、メンバーの音楽へのモチベーションを高め、結束を固める。
スウィングエコーズ・ジャズオーケストラは2018年2月3日(土)、結成50周年記念コンサートを開催する。
1月13日(土)・14日(日)に湯布院で強化合宿を行ったが、2日目午後の通しリハーサルはスウィングエコーズの全メンバーが揃った。全員のモチベーションが高まり、それぞれの優先順位がトップに来た瞬間である。合宿は演奏の完成度をぐっと高める効果的な行事だ。
いよいよ本番の日が近づいてきた。スペシャルゲスト「マリーン」を迎え、最高のステージをお届けしたい。
■50th Anniversary with Special Guest MARLENE
出演 スウングエコーズ・ジャズオーケストラ、マリーン
日時 2018年2月3日(土) open 18:00 start 18:30
会場 iichiko総合文化センター グランシアタ
入場料 全席自由・一般1,800円、中高生1,000円(小学生以下無料)
■スウィングエコーズ・ジャズオーケストラFacebook
https://www.facebook.com/SwingEchoesJazzOr/