｢ネタよし｣「味よし」「きっぷよし」

店内に足を踏み入れると、入り口から厨房の方へと続く大きな生簀が目の前に飛び込んできました。アジやサバにタイやヒラメや季節の魚……。悠々と泳ぐその姿は訪れた人の目を楽しませるとともに、店で扱う魚の抜群の鮮度を物語っています。
ここは別府市の石垣東。｢ネタよし｣｢味よし｣｢きっぷよし｣がモットーの『鈴よし』は、美味しい魚料理で知られる地元で評判の店なのです。
｢店を開いたのが23歳のときだから、もう37年になりますね。今の場所に移ってから12年かな｣と明るく話すのは、店主の鈴木義孝さん。名前から一字ずつ取って名付けた『鈴よし』は、そんな鈴木さんの思いが隅々にまで行き届いている店でした。
この店の特徴は、大分じゅうの新鮮魚介が一堂にそろっていること。関アジ・関サバや城下カレイから旬の魚介まで、県内各地の港から生きたまま届くため｢『鈴よし』なら大分の旨い魚が全部食べられる｣と、お客様の信頼も厚いのだとか。
魚を知りつくした鈴木さんが腕をふるうのは、美しい盛り付けと素材の風味を活かした味わいが印象的な会席料理。予約なしで味わえる｢お手頃会席｣をはじめ、活け造りやフグなどが堪能できる各コース、魚が苦手なかたには肉料理もあり、目的やお好みに応じた多彩な味がそろっています。
そう聞くと敷居が高い高級店のように思われますが、ここは900円から味わえる平日のランチが名物にもなっている店。専門店の刺身や寿司などが気軽な値段で食べられる”きっぷのよさ”で、多くの人に喜ばれています。15の個室からなる店内は友人同士の気軽な食事から最大60名様までの宴会までさまざまなシーンに対応しており、1階にはイス席も完備。お客様の目線に立った居心地の良さが、料理の味をさらに引き立てているようです。
｢店とお客様は”持ちつ持たれつ”です。多くの店のなかからウチに足を運んでくださったお客様に、精一杯のおもてなしをする。そのお客様に満足していただければ、そこから長いおつきあいが始まる。そうやって信頼関係を築くことで、今日まで店を続けてこられました｣と鈴木さん。だから、お客様が｢こんにちは｣と言って入ってくるときは｢とくに嬉しい｣と目を細めます。
｢その『こんにちは』には『大将、また来たよ』という親しみが込められていますからね。もちろん初めてのお客様も大歓迎です。そのかたが次に『こんにちは』って店にきていただいたら最高ですね｣
そう言って明るく笑いました。
※メイン写真の料理は、予約なしで1名様より食べられる｢お手頃会席｣3,780円

｢関アジのお造り｣5,940円

｢とり天｣(単品)800円

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