湯の町・別府の魚どころ、亀川で愉しむ手作り料理
別府市中心部から海沿いに車を走らせること約20分。別府市亀川は、別府湾で水揚げされた新鮮な魚介が市場に並ぶ、別府の食を支える港町です。そんな亀川で地元の人に親しまれているのが『いけす料理 お食事処 黒木』。ご主人が市場から買い付けてきた魚を使った料理の味と、家庭的な雰囲気が評判のお店です。
カウンターが10人と小上がりに20人が座れる、ほどよい広さの店内で、奥には10人が座れる個室も。ゆっくりとお酒や料理が楽しめる夜はもちろんのこと、昼は気軽な定食などが味わえるランチスポットとして、昼夜を問わず多くの人が訪れます。
ご主人の黒木一郎さんは鮮魚店や料理屋で修行を重ね、選び方から調理まで、魚のすべてを学んだ料理人。それだけに魚の目利きは確かで、いけすで泳ぐ旬の魚介で握る寿司やお造りだけでなく、ときには他では味わえない珍しい魚料理も登場して多くの人を喜ばせます。
魚料理とともに人気なのが「地獄そば」。これはそばを茹でる湯やそばつゆに温泉を使った、別府らしさ満載の看板メニュー。焼いた石を器に敷くことで、温かさを保つと同時に石に接した部分をカリッと焼きあげるという二つの効果があるようです。海苔や玉子、エビなどの具材もたっぷりで、下のそばが見えないほどの豪快な盛付けは、味・ボリュームともに文句なし。温泉で茹でた茶そばは喉越しも良く、県外からも多くの人が食べに来るという人気の一品です。
ほかにも、カラリと揚がった「鳥天」や、生地やソースも手作りという「黒木ピザ」、ふっくらとした「だし巻き」など、魚だけでなく幅広いジャンルの美味しい料理が揃っているのも人気の秘密。一見バラバラなようにも思えますが、どの料理にも”お酒に合い、すべて手作り”という、共通の思いがこもっています。
「美味しい料理をお出しするのはもちろんですが、お客様が気持ち良く飲んだり食べたりしていただけるよう、気さくで和やかな雰囲気を心がけています」と黒木さん。その言葉を裏付けるように、ある常連のお客さんは「料理はどれも美味しいし、ご主人や奥さんの人がらも気持ち良い。だからいつも通ってしまうんです」と笑います。
温泉どころで魚どころ。
亀川の二つの特徴を生かした手作りの味で、今日も『黒木』は、訪れた人の心とお腹を心地よく満たしてくれるのです。