居酒屋 美味しんぼう あっぷるG(城東支部)
手作りの味で人と人をつなぐ 美味しい“心の架橋”
ちょっと変わった店名の居酒屋『あっぷるG』は、大分市の中津留1丁目にあります。以前は国道197号線沿いに店がありましたが、そこから100mほど離れた今の場所に移転したのが今年の2月。開店して24年、移転して半年の店内は、昔からの常連さんと今の場所になってから店を知った お客さんとで、連日にぎわっています。
奥行きのある店内はカウンターやテーブル、座卓などで構成されており、店全体の定員が80人。奥の部屋だけでも、間仕切りを外せば50人がゆったり座れるという心地よい広さです。
ご主人の阿部譲二さんを中心に、奥さん・妹さん・息子さんの4人とパートさんで切り盛りする店は、家庭的な雰囲気とおいしい料理が人気の秘密。
「料理は手作りが基本。アジフライは注文が入ってからアジを捌くし、ピーマンの肉詰めは注文が入ってからピーマンを切って肉を詰めます」
メニューには「揚げポテト」など赤印のついたものが数点ありますが、これは市販の冷凍ものという意味。店の料理は手作りなので、調理に少し時間がかかります。ですから赤印はすぐに出せる気軽な料理という意味なのですが、わざわざ”冷凍ものです”と説明しているところに、この店の良心を感じます。
店の名物といって、まっさきに名前が挙がるのが「スペアリブ」。これは骨付き肉を焼いて大鍋で煮込み、注文を受けてから自家製ダレでつけ焼きして仕上げるという、手間ひまかけた一品。骨からホロリと外れる肉の柔らかさと甘辛い味は、一度食べたらクセになるおいしさです。
ほかにもシンプルな塩味が肉の旨みを引き立てる「若鶏のから揚げ」や、豆腐に薄切り肉を巻いて揚げた「とーふかつ」など、工夫を凝らした手作りの味が並びます。もちろん肉料理だけでなく、毎朝ご主人が市場で買い付けてくる新鮮な魚料理も豊富。メニューも定番料理のほかに、その日仕入れた食材で作る日替わりメニューがあり、常連のお客さんは、それを見ながら今夜の酒の肴を決めるのだとか。
「私はこの店を始める前、生協に勤めていたんですよ。だから食の安全・安心には、昔から気を配ってきました。やっぱり自分が納得した料理を作って、お客さんに『おいしい!』って喜んでほしいじゃないですか。そうやって24年も店をやっていると、恋人同士だった2人が赤ちゃんを連れて3人で来てくれたり、両親と一緒に来ていた息子さんがいつの間にかお父さんとビールで乾杯してたりね。そういう場面に出会うと本当にうれしい。ウチの店はお客さんが財産です」
多彩な手作り料理でみんなに愛され続ける人気の居酒屋。
今夜も赤いリンゴが描かれた暖簾を多くの人が笑顔でくぐってゆきます。