このところ青空がとても綺麗である。
いつもは天気のいい日でも茶ボケて見える別府方面の山々の稜線も、スッキリくっきり。昔、僕らが見ていた青空ってこんなんだったなぁ…とか想いつつ空を見上げる。
なんのことはない。
これは件の新型コロナウィルスの影響で中国の工場の稼働が停滞していて、普段は偏西風に乗ってやってくる、とてつもなく大量の有害物質が届いてきてないからなんだろうと。耳鼻科の医師をしている友人曰く「今年はそもそもスギ花粉が少ないんだけど、憎悪因子である中国からの大気汚染物質も少ないためか花粉症の重症の方が少ない」らしい。皮肉なもんである。
さて、そのコロナ。
よりによって大分を代表する歓楽街、都町での初感染者確認と言うことも相まって、経済的影響は計り知れません。飲食店関係者やイベント関係者はじめ、多方面から死活問題との比喩表現では全くない悲鳴が聞こえてきます。“旬”の需要はどんどん去っていき、現時点(2020年3月15日現在)で未だ回復の見込みは無く、関係者とは話題にするのも憚られるほどの雰囲気です。
融資の利息軽減だとか保証料全額補助とかの金融施策は打ち出されているものの、借金することには変わりはなく、商いで入って来なかったお金を、後で自分で払う話ですものね。勿論、ありがたいことではあるのだけれど…。
弊社のようなモノ売り稼業は「影響ないでしょ?」と言われることもありますが、そんなこともないわけです。
なにしろ一般自転車は、ほぼ100%が中国の工場で生産されています。これがコロナ騒ぎが起こりはじめた後、2月17日頃まで完全に生産がストップする事態となりました。たとえ操業が再開しても、日本の自転車屋の店頭に届くまで船舶輸送や検疫期間などを考慮すると、約一ヶ月近くはかかってしまいます。
結果、業界では「3~4月初旬の通学自転車需要期に売る自転車がない!」という危機感が蔓延したのであります。(なお、現在は既に操業は再開されているものの、工場の従業員が戻ってこられなかったりとかで、生産能力は未だ2~3割程度だということ)
かくしてこの情報は、通学自転車の購入を予定されている受験生の保護者の皆様にまで察知されるようになり、これが「早めに買っておかないと!」という購買意識を揺さぶって、2月には「需要の前倒し」現象が見られました。
そして3月3日、大分市でコロナ感染者が出た時期と同じくして動きは急に静かになりました。さらに受験生は、入試が終わるまで外出禁止令も出たといいます。
気がつくと2月の積み増し分の売上の貯金は、あっという間に消えてしまい、これから始まる需要期までに戻ってくるかどうか、未だ先行きは不透明です。
ちなみに弊社の商品ですが、例年2月下旬に工場から大量に取り寄せているPB商品を、今年に限って(虫の知らせか)1月末に全てを取り寄せ、倉庫へ保管済みです。ブリヂストンなどメーカーの協力もあり、少なくとも昨年の販売実績相当分の商品は確保しています。弊社としましては、可能な限りの対応をしておりますので、ご安心ください。
でも、正直ヒヤヒヤものでした。
結果論的な面もありますが…。
私たちの業界に限らず、コロナ騒動で「もうこれ以上待ったなし!」と経営を圧迫されている経営者の皆さんは、たくさんおられることでしょう。一刻も早く収束することを願うばかりです。
知り合いの地場の経営者をはじめ、「なんとか夜の街なかを元気づけよう」と、毎日のように一人でお店を回っている方も多数います。まさか飲みに出る言い訳ではないでしょうが(笑)。自己責任で街の飲食店を積極的に巡り、投稿しあって、少しでも街の元気づけになればというSNSのサイトが立ち上がり、かなり盛り上がっています。
→ 飲食店を勝手に応援しよう in 大分
一方の飲食店も、じっとしているばかりではなく、テイクアウト商品を作ったりと、形を変えた販売をはじめたお店も少なくありません。
ワクチンの開発に、かなりの日数を要すと見られる新型コロナウイルス。現時点での特効薬は、手洗い等の徹底や事務所の清掃・除菌等の予防しかありません。それでも、ポジティヴ・マインドはキープしていきたいですね。
「自粛」しても、「萎縮」するわけにはいきません。
予防と共に大事なことは、「心の免疫力」だと思うのであります。