催事を通じて大分の「食」を全国発信!
クレドの再構築でアフターコロナ時代に挑戦
人気を呼ぶ「綾鶏」ブランドのから揚げ

コロナ禍で大きな打撃を受けた飲食業界。外食産業総合調査研究センターによると、2021年の外食産業の市場規模は18兆2,005億円と前年度比30.7%減と大きく減退しています。食材価格の高騰や人手不足も重なり、当面は試練が続きそうです。
このような逆風下にありながら、着実に業績を重ねてきたのが株式会社NorthSouthです。同社の黒土崇代表取締役社長は、大阪の大学を卒業後、福岡市の外食チェーンへ就職。25歳で福岡ドーム(現・福岡PayPayドーム)の店を任された際に飲食店経営の実務を2年間学び、地元である中津での独立開業をめざして帰郷しました。
「博多の飲食店は全国トップレベル。食材のクオリティもコストパフォーマンスも高い。大阪と博多、日本の食文化の先進地といえる2つの都市で学んだ経験を、故郷に還元したいと考えました」
黒土社長が2012年にオープンした鉄板焼店2店舗は、従来の中津にはなかったタイプの店として評判を呼びました。予期せぬ新型コロナウイルスの感染拡大で逆境に立たされましたが、現在は海鮮を中心とする居酒屋『あかとら』を運営しており、客足も順調に取り戻しています。
一方、同社の大きな柱に成長している事業が、全国百貨店の催事出店による実演販売です。
「90年代前半に第一次ブームが到来していたタピオカの事業展開を相談されたのが始まりです。社内に外販事業部を設置し、タピオカ以外の食品も提供開始。中津から揚げの全国的ブームの兆しが見えた矢先でもありましたが、当社としてはデパート売上で日本一の伊勢丹新宿店のデパ地下出店を目標に掲げ、九州の百貨店を皮切りに3年かけて出店するに至りました」
同社では、から揚げに加え、とり天、とり飯と、大分県を代表する名物グルメを、「綾鶏」と命名したブランドで販売。独自の味付けが人気を集め、今では北海道から九州まで全国の百貨店の催事に声をかけられるまでになっています。また、コロナ禍ではオンラインショップに力を入れ、電子レンジで美味しく調理できる冷凍食品も開発。新たな顧客層の開拓に努めています。
「創業間もない頃に、社員と共に『光り輝く人であれ、光り輝く企業たれ』というクレド(志・約束事・信条)を作りました。飲食業界の環境も大きく変化しており、新たなクレドを全社員で考えたい」と、全社員が誓いを表明したカード(メイン写真)を手にしながら話す黒土代表。因みに「North South」という社名の由来は、“North”は中津北、“South”は中津南と、中津市内の高校の仲間たちと結成したサークル名から。創業を共にした丸谷浩気専務取締役も当時のメンバーで、同社は中津と大分を愛する二人で育てあげた企業でもあります。
「今後はBtoCに加え、BtoBにも力を入れていく計画。社名にならって、大分の食の魅力を北から南まで伝えていきたい」と、意気込みを語る黒土社長のリーダーシップに期待が寄せられます。

笑顔が絶えない職場から、大分自慢の食が全国へ届けられる

profile

株式会社 North South(如水支部会員)
代表取締役社長  黒土 崇 氏
【株式会社 North South】
■本社 大分県中津市宮夫259-1
※地図
tel:0979-26-0101
■URL https://www.northsouth.jp
■「綾鶏」オンラインショップ  https://www.ayatorishop.com