百人一首など古典の和歌に出てくる言葉は良い言葉が多い気がします。もしかしたら和歌の言葉には運気を上げるパワーがあるのではないか、そんな気がします。で、百人一首の作者が百名いますが、今回はその中から長寿ベスト4の方々をピックアップ。目出度き作者が紡ぎ出した良い言葉を皆さまと一緒に味わい、運気を上げましょう!

【和歌のスタイルで表現してみた】

Usage #46
問題と向き合う心として

いままでもこれからも問題は起こるもの 嘆き過ぎず前に進もう

[元歌]
いつとても身のうきことはかはらねど 昔は老をなげきやはせし
意味:いつも身の回りに何かしらの心配事がある。それが世間というものだ。けれども、前は今ほど老化について嘆かなかったような気がするなあ(苦笑)。

[解説]
元歌の作者は道因法師(どういん ほうし/1090 – 1182、俗名、藤原敦頼 ふじわらの あつより)。百人一首の作者の中では最も長寿の92歳。道因法師は70歳を過ぎてから歌を始めた遅咲きの人。百人一首では82番「思ひわびさてもいのちはあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり」の作者。年は幾つでも何かに取り組み始めて集中するのは運気と長寿に良いことのようだ。某国では78歳で大統領職を務め始める人物もおられる。お元気だ。見習わねば。

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Usage #47
どこに行こうが世の中だよの心として

どこに行こうが隠れようが世の中から逃れられない。
じゃ、どうするか。忘れて考えないのが一番じゃん

[元歌]
いかにせむしづが園生の奧の竹 かきこもるとも世の中ぞかし 新古1673番
意味:どうすれば良いというのか。竹林の庭の奥の家に籠っても世の中から逃れられないのですけど。

[解説]
元歌の作者は藤原俊成(ふじわらの としなり/1114 – 1204)。百人一首の長寿ナンバー2。90歳。俊成のエピソードで沁みる話がある。次です。俊成の和歌の弟子だった平忠度(たいらの ただのり/1144‐1184)が源平合戦の時、すでに平家の敗北が見えているときに俊成を訪ね、自分の作品集を託し「師匠のお眼鏡にかなう歌がありましたら勅撰和歌集に加えて頂きたい」と頼んだ。その後、忠度は戦死。俊成は歌を選び、平氏の名前では載せられないので「詠み人知らず」として『千載集』に載せた。この話と今回の元歌を合わせて読むとぐっと来ます。ちなみに俊成の百人一首の歌は83番「世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる」

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Usage #48
子を大切にする親の心として

子どもの苦労なら引き受けれど 代わりに子どもと別れたきりは悲しすぎ

[元歌]
代はらむと祈る命はをしからで さてもわかれむことぞ悲しき
意味:病気の息子が助かるならば代わりに私の命を差し出しても惜しくありません。しかし、そうなると息子と会えません。それはまた悲しいことです。

[解説]
元歌の作者は赤染衛門(あかぞめえもん/956 – 1041)。百人一首の長寿ナンバー3。85歳。夫は朝廷の役人の大江匡衡(おおえの まさひら)。おしどり夫婦の二人の間に生まれた子が大江挙周(おおえの たかちか)。その挙周が大病を患った時、心配した赤染衛門が詠んだ歌が上の歌。母の祈りを知った挙周は住吉神社に行き「母が亡くなっては、自分は生きてはいけない。母が捧げた命を私の命で補ってほしい」と祈ったという。幸い病は全快。目出度い。もうひとつ。夫の匡衡が藤原公任(ふじわらの きんとう)から頼まれた文章作りに苦しんでいたとき、知恵を出して助けたというエピソードもある。良妻賢母、赤染衛門の百人一首の歌は59番「やすらはで寝なましものを小夜ふけて 傾くまでの月を見しかな」。

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Usage #49
今日、今を完全燃焼の心として誰のため明日に残すかこの料理 一番美味しい時を逃すべからず

[元歌]
誰がために明日はのこさむ山桜 こぼれてにほへ今日のかたみに
意味:山桜は、誰の明日のために花を残すのか知らないけど、今日は楽しい会なので思い切り咲きこぼれて匂ってくれ。

[解説]
元歌の作者は清原元輔(きよはらの もとすけ/908 – 990)。百人一首の長寿4番目は82歳の元輔。世慣れていて、自分の失敗を笑ったり、物事を面白おかしく語って人を笑わせるのが自分の役割と心得ていた人物。いいなあ、憧れるなあ。娘が清少納言。娘は「父の名を辱めたくないから私は歌は詠みません」と言っていたこともあったそうな。

profile

安部 博文
あべ・ひろふみ:1953年、大分市生まれ。大分大学教育学部物理学科卒業、師匠は田村洋彦先生(作曲家)。由布院温泉亀の井別荘天井桟敷レジデント弾き語リスト(自称)。大分大学で第1号の経済学博士、指導教員は薄上二郎先生(現青山学院大学経営学部教授)。国立大学法人電気通信大学客員教授。電通大認定ベンチャーNPO法人uecサポート理事長。
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