高級魚の鱧を気軽に愉しむ
(和風味処 鬼太郎)
中津と言えば鱧料理が頭に浮かぶ人も多いことでしょう。
魚介類の宝庫とされる豊前海で育った中津の鱧は「つの字鱧」「真鱧」などとも称され料理人に愛されており、日本国内各地に出荷されています。「骨切り」と呼ばれる工程は熟練の職人の技が必要で、調理に手間がかかることでも知られていますが、その技術は中津が発祥とされています。
高級魚のイメージがある鱧を気軽に楽しめるお店が、中津の「和風味処 鬼太郎」です。
昭和53年創業、父の代から続く店を守るのは、二代目店主の峯中隆洋さん。お母様も一緒にお店を盛り上げています。
創業当初、人気だったカツ丼をアレンジしたのが、庶民的な鱧料理を提供するきっかけでした。
今では店の看板メニューとなった「鱧かつ丼」。ふわふわっと軽やかな鱧の身を包むサクっとした衣に、だしで仕上げる秘伝の甘辛ダレが絶妙に絡み合い、他にはない味わいです。赤と黄色の2種類の卵を使用し、ご飯がいくらでも進む逸品です。
鱧かつ卵とじ、鱧しゅうまい、刺身、小鉢、汁物までボリュームたっぷり贅沢に味わえる「官兵衛御膳」も人気です。
一方、鱧の味をダイレクトに味わうなら「鱧しゃぶ」がおすすめ。鱧の皮にある旨味を堪能できます。皮の食感と身のハーモニーをお楽しみいただけます。
店内では、ゆったりくつろげる落ち着いた空間が、料理の味を一層引き立てています。座敷席では、靴を脱いでリラックス。カウンター席の椅子もふかふかと座り心地は抜群です。テーブル席も完備しており、明るい笑顔で対応する店員さんに心が癒されます。この機会に生簀(いけす)で泳ぐ鱧も鑑賞してください。
「中津で一番うまい店を目指しています。美味しい料理を気持ちよく食べてもらいたいですね。もちろんお客さまには気配り・目配りで喜んでもらえるよう、従業員全員で気持ちの良いおもてなしを心がけています」
おもてなしの味も、心も、お店ぐるみで取り組んでいる姿勢が伝わってきました。
店主:峯中隆洋(みねなか・たかひろ)さん