四国には、ゆるキャラグランプリ2012の覇者「いまばり バリィさん」や、愛媛県の愛顔(えがお)PR特命副知事の「みきゃん」など、人気者が勢揃いしています。
そこで第5回は、四国のゆるキャラたちをチョイスしてみます。
※高知のカツオ人間(後頭部)と、香川のうどん脳。“脳が見えてる系”キャラで言えば、以前取材したJAおおいた日田梨部会公認キャラクターの「ナシロー」も、頭の中の梨が丸見えのハカイダータイプでした

大分県が「おんせん県」と名乗るようになる1年前の2011年、香川県が「うどん県」に“改名”しました。
以前、大分県が特許庁に「おんせん県」の商標登録申請を行った際、「他県にも当てはまる」という理由で登録が認められませんでしたが、香川県が同じく申請した「うどん県」は、すんなり受理されました(のちに大分県は「おんせん県おおいた」で無事登録!!)。

誰もが「うどん=香川」と思い浮かべるくらい、圧倒的うどん県である香川。以前県が発表した資料に「県民1人あたりの年間うどん消費量が230玉」とあり、これは全国平均の4倍に相当するとか。
この数値を見ても、香川の人たちの頭の中は、いつもうどんのことでいっぱいなんだろうなと思いますが、それが透けて見えるのが、香川の「ツルきゃら うどん脳」です。

うどん脳は、「毎日大好きなうどんを食べていたら、脳みそがうどんの妖怪になってしまった元人間」というおどろおどろしい設定。
やはり一番気になるのは、うどんになった脳みそが丸見えなことですが、2023年4月から全ての自転車利用者に対して自転車用ヘルメット着用の努力義務が課せられたことを受け、啓発活動として「ヘルメットで饂飩を守る!」というポスターを自主制作。うどんを通じて、自転車死亡事故防止に一役買っています。体を張った活動ですね。

さて、県全体を家に見立て、「高知家」として観光PRを展開する高知県にも、中身が見えている強烈キャラクター「カツオ人間」がいます。

全国1位の消費量を誇るカツオと人を組み合わせたカツオ人間は、頭がカツオのぶつ切りで、その後頭部は赤身と骨の断面が丸見えなのです。
キモカワキャラとして活躍し、その人気ぶりは、あの海洋堂からソフビが発売されたほど。現在は高知県のまとめサイト「高知家の○○」の副編集長に就任しています。
四国のキャラは個性強めが多いなと思っていたところ、香川県丸亀市にもいました。「とり奉行骨付じゅうじゅう」が。
骨付じゅうじゅうは、1950年代に登場した丸亀の名物グルメ「骨付鳥」をたくさんの人に知ってもらうために誕生。骨付きモモ肉をイメージした頭は、パリッと焼かれて美味しそうな顔色をしており、手で持って肉にかぶりつく骨の部分は、「掴まれると力が入らなくなる髷(まげ)」になっています。

骨付き肉で思い出したのが、宇佐市観光PRキャラクターの「うさからくん」です。
「トング集めが趣味の5歳の男の子」であるうさからくん、宇佐からあげがモチーフなのは想像に難くありませんが、どうしても気になるのは“骨付きからあげの被り物”です。
こちらは完全に骨として頭上に存在していますが、彼自身が若鶏なんですよね…。
さらに宇佐市公式観光サイトでは、うさからくんが美味しそうな宇佐からあげと出会い、食べていいものか葛藤する動画がアップされています。なんだかなー!

ちなみに丸亀の骨付鳥は、しっかりした歯ごたえを楽しむ「親どり」と、ふっくら柔らかい肉質の「若どり」の2種類から選べます。
※丸亀のとり奉行骨付じゅうじゅうと、宇佐のうさからくん。名物鳥料理の夢の共演。どっちも美味しい!

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相原 利衣子
あいはら・りえこ:宮崎県都城市出身。大分市在住。株式会社Oulu(オウル)編集者、プロデューサー。大分の出版社で22年雑誌制作に携わり、2021年に編集プロダクション「Oulu」を設立。webメディアや新聞、パンフレットなどの紙媒体から、パッケージやグッズなどのプロダクトデザイン、ラジオ構成作家まで、「丸投げ、よろんで」の精神で活動中。趣味は飲酒、飲食全般で、初対面の人とも陽気に酒を酌み交わせるのが特技です。