■東京のトレンドスポット「奥」と「裏」の今
~ 究極の「奥浅草」へのいざない 〜
何の根拠もエビデンスもありませんが、確実に言えるのは東京のトレンドスポット(もしくはトレンド好き)のキーワードは「裏」と「奥」です。
ちなみに「隅」とか「端」もありますが、大きなムーブメントやカルチャーまで広がりません。
「裏」と聞いて真っ先に裏原(系)が思い浮かぶ方は、間違いなく90年代に青春を謳歌した50歳前後だと思います。もちろんあの時の勢いは無くなってはいますが、当時を知らない世代が再び(みたび?)集結して、新しいカルチャーを作っているのも確か。コロナ禍の中、かつての賑わいや情報発信力を取り戻すべくウラハラプロジェクトが立ち上がり、かつての主役とZ世代の感性がハイブリットに交錯する新しい裏文化は期待大です。
トレンドスポット「奥」の代表格は「奥渋」でしょうか。
悪い評判しか耳にしない渋谷駅前の“100年に一度の大リニューアル”が本格化してきた5〜6年前に、じわりと存在感を現してきたALTERNATIVE SHIBUYA(オルタナティブ渋谷)とも言える奥渋エリアには、厳密な住所・番地があるわけではありません(電柱に奥渋フラッグが掛けられているあたりが目印にはなりますが…)。渋谷東急本店・Bunkamuraから富ヶ谷~代々木公園・代々木八幡~代々木上原向かう1本道と、その裏道界隈にある昔ながらの魚屋さん(名物店魚力は今も健在)、蕎麦屋さん、JAZZ BAR等が点在していたエリアには、徐々に瀟洒なビストロ・レストラン・パン屋・チョコレート専門店、雑貨店やミニシアター(残念ながら1995年10月開館のアップリンク渋谷は2021年5月に惜しまれながら閉館)が集まり出し、気がつけば東京随一の「奥」というより、もはや「表(手前?)」のトレンドエリアに成長しました。
実際に足を運んでみると、裏原と違ってバスやタクシーがビュンビュン飛ばしている、ちょっと歩きにくいエリアですが、今の東京の面白さが凝縮しているコンパクト感が大きな魅力です。
そして「奥」の真打、東の横綱「奥浅草」の登場です。
浅草寺から言問通りを越えて「浅草観音裏」と呼ばれるエリアから奥に進んでいくと、パッと見ただの住宅街ですが(特に昼間は)、陽が落ちて街灯が点き始めると街の雰囲気は今や東京随一と言われるグルメエリアに一変します。もともと浅草界隈の花街と共存共栄だった料亭や割烹・小料理屋が多数存在した華やかなエリアでしたが、花街文化の縮小とともに賑やかさは年々影を潜めていました。
しかしコロナ禍以前のここ数年、表参道・中目黒あたりにあってもおかしくないビストロや、地元の若手オーナー(二代目、三代目含む)のレストランが続々とオープンし、にわかに活況を呈しはじめました。浅草寺・雷門界隈の観光エリアにあるチェーン飲食店集積ゾーンと違い、住宅街にひっそりと佇む新旧入り混じった個人経営中心の飲食店が、まるで蛍の光のようにその存在を示す姿は、これぞ東京・下町グルメの真髄をみる想いです。老舗洋食店の競演、高級&庶民的寿司屋群、気鋭の若手シェフのビストロ、予約困難な焼肉店、これぞ街中華に蕎麦屋、売り切れ必至のパン屋&ケーキ屋、老若男女を魅了する万能居酒屋…と、枚挙にいとまがありません!
2022年スタートも第6波やら云々と騒々しい感じですが、ぜひリアル東京を「奥浅草」で体験して下さい!
もちろん私が「奥浅草S級グルメツアー」主宰者としてご案内させていただきます!