本場の味わいそのままに
湯の町・別府で韓国気分
流川通りと新宮通りを横につなぐ、少し細めの道路。この道を歩いていると、韓国の民族衣装を着たウサギとトラの絵が掲げられた建物が見えてきます。店の名前は、絵の通り『うさぎととら』。ちょっと変わった店名ですが、別府の人なら誰もが知っている、韓国料理と炭火焼肉の店なのです。
店の前の駐車場も広いのですが、店内はさらに広々としており、誰もが快適に料理を楽しめる空間になっていました。
「席は個室が中心で、仕切りを外せば最大70名まで座れる大広間なども備えており、ご家族連れから会社などのパーティまで、幅広く対応しています。ほとんどがイス席や掘りごたつ式なので、足を伸ばしてくつろいでいただけますよ」
そう話すのが、代表のイ・チェグさんです。18年前にAPU(立命館アジア太平洋大学)の生徒として韓国から別府にやってきたイさんは、奥様と協力して13年前に『うさぎととら』をオープン。料理のおいしさからたちまち人気店となり、6年前に今の新店舗へ移転したそうです。
メニューは厳選した国産黒毛和牛などの肉を炭火焼きで味わう焼肉はもちろんのこと、「プデチゲ」や「海鮮スンドゥブチゲ」「サムゲタン」などの鍋料理や、「石焼ビビンバ」「チヂミ」といったお馴染みの味も揃っています。
韓国の食材や香辛料で作る料理はまさに本場の味ですが、この店に来たならオリジナルの「うさとら鍋」は外せません。肉や野菜を山のように盛り付けた名物鍋は、子どもさんから年配のかたまで食べられる甘辛い味付けが特徴。牛肉・豚肉・ホルモンと山盛りの野菜で、味とボリュームに大満足の一品です。
2018年1月からリニューアルしたというランチメニューは、以前よりもさらに豊富でお得な料理が揃っています。「えらべる焼肉定食」は、全13種の中から自分の好きな肉を4種類組み合わせられる人気の焼肉ランチ。「うさとら定食」も、サムギョプサルと純豆腐チゲが同時に楽しめると評判です。ランチメニューは650円から各種あるため、目的やご予算に合わせた本場の韓国料理を気軽に楽しめます。
「客層は本当に幅広いんです。夜の開店(17:30)と同時に学校帰りの女子高生さんが『チーズタッカルビ』だけを食べに来てくれたりとか。これからも、いろんな人が気軽に来ていただける店でありたいですね」と、イさんは微笑みます。
ちなみに店名の由来は、イさんと奥様の干支から来ているそうです。イメージだと男性がトラで女性がウサギなのですが、実際はイさんの干支がウサギなのだとか。言われてみれば、店の前の絵はウサギが男性の、トラが女性の民族衣装を着ていました。
ちょっと変わった店名には、ご夫婦の仲むつまじさがさりげなく隠れているのでした。
※メイン写真は、ランチの「えらべる焼肉定食」1,380円